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遺品整理を始める前に知っておきたい注意点とコツ2026.02.03

遺品整理は、亡くなった方との思い出と向き合いながら進めていく、心の整理にもつながる大切な時間です。

ただ実際には、やるべきことが多く、どこから手をつけたらいいか迷ってしまう方も多くいらっしゃいます。

相続のことや費用の負担、家族との意見の違いなど、思わぬトラブルが起きてしまうこともあります。

少しでも安心して進められるように、本記事では遺品整理の注意点について、やさしく分かりやすくご紹介します。

遺品整理を始める前に知っておきたい基本

遺品整理を進める前に、まずは基本的な考え方や言葉の違いを知っておくと安心です。

最初に少し整理しておくことで、落ち着いて準備を進めやすくなります。

「遺品整理」と「遺産整理」の違いとは?

「遺品整理」と「遺産整理」は、どちらも身近な人が亡くなったあとの整理を指す言葉ですが、実は全く別の意味を持っています。

遺品整理とは…
故人が生前に使っていた家具や衣類、写真や手紙などの“思い出の品”を整理することをいいます。いわば、暮らしのあとを整える作業です。

遺産整理とは…
預金や不動産、株式など、故人が持っていた「財産」について、誰に・どのように引き継ぐかを決め、手続きを進めることです。借金や未払い税金などのマイナスの財産も含まれます。

項目 遺品整理 遺産整理
整理の対象 身の回りの物(家具・衣類・写真など) 財産(預金・不動産・借金・保険など)
主な目的 片付け・形見分け・供養など 相続手続き・名義変更・税申告など
実施する人 主に遺族(または遺品整理業者) 相続人や専門家(弁護士・税理士など)
実施のタイミング 明確な期限なし(退去日がある場合は注意) 期限あり(手続きによって3ヶ月・10ヶ月など)

それぞれ必要な準備や進め方が違うため、最初に「今やるべきことはどちらなのか」を整理しておくと、混乱を防げます。

まず何から手をつければいい?

遺品整理は、「何から始めたらいいのか分からない」と感じる方がとても多い作業です。

気持ちの整理がつかない中での作業になるため、焦らず一歩ずつ進めることが大切です。
はじめにやることは、大きく分けて以下の通りです。

1. 整理の目的を明確にする
• 退去期限が迫っているのか
• 思い出の品を丁寧に残したいのか
• 早めに相続の準備を進めたいのか

2. 全体のスケジュールを立てる
• 何日で終わらせたいか
• 誰が参加するか
• どこから着手するか(例:貴重品の確認 → 衣類 → 家具の順など)

3. 必要な道具をそろえる
• 軍手、マスク、ゴミ袋(可燃・不燃・リサイクル用)
• 段ボール、ガムテープ、清掃用品(雑巾・掃除機など)

4. 迷ったら専門業者の利用も検討
整理する量が多いときや、時間・体力に不安があるときは、プロに頼ることでスムーズに進められます。

遺品整理は「やることが多すぎて、途中で疲れてしまった…」という声も少なくありません。最初に全体の流れを把握しておくことで、気持ちにも余裕が生まれます。

相続やお金のトラブルを防ぐためのポイント

遺品整理を進める中で、相続やお金のことがきっかけで思わぬトラブルになることもあります。

安心して整理を進めるために、いくつか気をつけたいポイントがあります。

遺言書があるか、真っ先にチェックを

遺品整理を始める前に、まず確認しておきたいのが「遺言書の有無」です。遺言書とは、故人が自分の財産をどのように相続してほしいかを記した大切な書類です。

法的な効力があるため、家族や親族は遺言書の内容に沿って遺産を分ける必要があります。

万が一、遺言書を見つける前に遺品を分けたり処分してしまうと、後でトラブルになることもあるので注意が必要です。

探す場所としては、書類棚、仏壇、金庫などが一般的です。また、公証役場で保管されている「公正証書遺言」の可能性もあるため、合わせて確認すると安心です。

なお、封がされている遺言書は、勝手に開けずに家庭裁判所で「検認」という手続きを受けてから開封しましょう。

大事な遺品を捨ててしまわないように注意

遺品整理のときにうっかり捨ててしまってはいけないものがあります。

特に、相続やお金に関わるものは慎重に扱いましょう。以下のようなものは、見た目には分かりにくくても、後から重要だとわかることもあります。

• 現金
• 通帳・キャッシュカード
• 不動産の権利証
• 年金手帳や保険証
• 借金の明細や契約書類
• 貴金属・美術品・骨董品
• 家や車のカギ

重要な物は、書類の間に挟まっていたり、普段使わない棚に収納されていることが意外と多く、見落としやすいものです。

一つひとつ確認しながら、焦らず丁寧に整理を進めていきましょう。

相続放棄の予定がある場合は慎重に

「借金があるかもしれない」「できれば相続したくない」と考えている方は、遺品整理を始める前に一度立ち止まってみてください。

相続放棄を考えている場合、遺品整理を進めてしまうと「相続の意思がある」とみなされてしまう可能性があります。

その結果、相続放棄の手続きが認められなくなってしまうケースもあるのです。

相続放棄は、故人が亡くなったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。

ただ、実際に借金があるかどうかを知るには、ある程度の遺品整理が必要なこともあります。そのようなときは、専門家に相談しながら慎重に進めるのが安心です。

スマホ・パソコンも重要な“遺品”です

遺品というと、家具や衣類などを思い浮かべがちですが、最近ではスマートフォンやパソコンなどの「デジタル遺品」もとても重要になってきています。

故人の個人情報やネット上の財産が含まれていることがあるため、しっかり確認しておく必要があります。

具体的には、以下のような情報が入っていることがあります。

• ネット銀行の口座情報
• 株式・仮想通貨などの取引アカウント
• キャッシュレス決済や電子マネーの残高
• 動画・音楽などの有料サブスク契約

放っておくと、残高の引き出しができなかったり、知らないうちに課金が続いてしまうこともあります。

相続漏れやムダな出費を防ぐためにも、デジタル遺品の整理も忘れずに行いましょう。

家族や周囲とのトラブルを避けるために

遺品整理を進めるときは、家族やまわりの人との関係にも気を配っておくと安心です。

ちょっとした声かけや気づかいが、思わぬトラブルを防ぐことにつながります。

遺品整理は、必ず話し合ってから行う

遺品整理を進めるときは、家族や親族との事前の話し合いがとても大切です。

例えば、「誰が作業を担当するのか」や「費用はどう分担するのか」などをはっきりさせておかないと、後からトラブルにつながることがあります。

特に、価値のあるものを巡って「誰がもらうか」で気まずくなることもあります。

出来るだけみんなで集まれる日に話し合いの場を設けて、それぞれの気持ちや希望を共有しておくのがおすすめです。

思い出の品は勝手に処分しない

遺品の中には、家族にとって大切な思い出がつまった品も少なくありません。

例えば、写真や手紙、愛用していた道具などは、他の人から見ると何気ない物に見えても、大切な形見であることがあります。

そのため、不要だと思っても、すぐに捨てずに他の家族にも一言確認してから整理するようにしましょう。

一人だけで作業を進めてしまうと、後から「捨ててほしくなかった」と言われることもあります。

遺品整理は、家族全員が納得しながら進めることが、気持ちのすれ違いを防ぐポイントです。

近所や管理会社への配慮も忘れずに

遺品整理では、大型家具の搬出や大量のゴミの処分が必要になることがあり、音や作業時間によってご近所に迷惑をかけてしまう場合があります。

特にマンションやアパートなどの集合住宅では、共用部を使うこともあるため、事前に管理会社へ作業内容や日程を伝えておくと安心です。

また、ご近所の方にも「しばらく片付けでお騒がせするかもしれません」と一言伝えておくだけで、印象が大きく変わります。

作業時間帯にも配慮し、早朝や夜間を避けるといった心がけも、スムーズな遺品整理につながるでしょう。

自分でやるとき・業者に頼むときの注意点

遺品整理を自分たちで行う場合と、専門の業者に依頼する場合とでは、それぞれに気をつけたいことがあります。無理なく進めるためのコツを、やさしくご紹介します。

無理なく進めるには、計画と役割分担がカギ

遺品整理を落ち着いて進めるためには、予め計画を立てておくことが大切です。

例えば、賃貸住宅なら退去日、持ち家を売却する場合は引き渡し日など、作業の期限があることもあります。

作業日程から逆算して、「誰が」「いつ」「どの作業を担当するか」をざっくり決めておくと安心です。

ごみの分別ルールや収集日など、地域のルールも事前に確認しておくとスムーズに進められます。

時間や人手が足りないときはプロに相談を

「自分たちだけでは手が回らない」「どこから手をつけていいか分からない」といったときは、遺品整理の専門業者に相談してみるのもおすすめです。

プロにお願いすれば、資材の準備や仕分け作業、不用品の運び出しや清掃まで、まとめて対応してもらえます。

大切な書類や貴重品を探してもらったり、形見分けや遺品の供養といった気持ちの面にも配慮してくれる業者もあります。

初めてで不安がある方は、まず無料の見積もりだけでも受けてみると気持ちが楽になるかもしれません。

業者選びは「顔が見えるか」が判断基準

遺品整理を業者にお願いする際は、信頼できるかどうかを見極めることが大切です。

会社の住所や電話番号、担当者の名前などがホームページなどにきちんと記載されているかをチェックしてみてください。

また、「一般廃棄物収集運搬業の許可」や「古物商の許可」といった資格を持っているかも、見極めるポイントの一つです。

どこに依頼すべきか迷ったときは、「遺品整理士認定協会」の優良企業に認定されている会社を選ぶと、安心感があります。

できれば見積もりの段階で担当者と直接会い、人柄や対応の仕方を確かめてみましょう。

契約前には必ず現地見積もりを受けよう

遺品整理の費用は、荷物の量や家の状態によって大きく変わることがあります。

電話やメールだけの見積もりだと、当日に思わぬ追加料金が発生する可能性もあるため、実際に現場を見てもらって見積もりを出してもらうのがおすすめです。

現地での見積もりでは、作業内容や費用の内訳についても分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。

不明な点や気になることがあれば、遠慮なくその場で質問しておくと安心です。

業者を比較検討したい場合は、2〜3社に見積もりをお願いしてみると納得のいく判断ができるはずです。

まとめ

遺品整理は、故人との思い出を振り返りながら進めていく、大切で少し特別な時間です。

ただし、実際にはやることが多く、相続のことや家族との話し合いなど、気をつけたい場面もたくさんあります。

大切な品を丁寧に扱いながら、できるだけ無理のないペースで進めていけると安心です。

必要に応じて専門業者に頼ることも、ひとつの選択肢として考えてみてください。



この記事の監修者
橋本 明   
遺品整理士 / 不用品回収・リサイクル業務専門家
2012年より約10年間、不用品回収およびリサイクル業務に従事。
個人宅・オフィス・店舗・工場など多様な現場で経験を積み、大型案件にも多数携わる。
2021年に独立し、現在は遺品整理を中心とした事業を運営。
従業員数10名、車両7台を保有し、年間1,000件以上の遺品整理・不用品回収を手掛ける。

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